早稲田大学 先進理工学研究科 電気・情報生命専攻 柴田 重信研究室
〒162-8480 新宿区 若松町 2-2 早稲田大学先端生命医科学センター 1階302号室
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​研究紹介

研究テーマ
柴田研究室は、体内時計を中心とした研究を展開しています。時計遺伝子が発見されて20 年になりますが、生体リズムのシステムとしての破綻が、種々の疾病の原因になり、健康維持には健全な生活リズムが欠かせません。そこで、当研究室では、種々の疾患や健康と体内時計の関係を研究したり、体内時計を治療する薬物や機能性食品の開発なども手がけています。以下に具体的な研究テーマの例を挙げます。また現在、政府系の大型予算、製薬、食品、化学品メーカー と強く結びつき、社会に還元できる製品開発も視野に入れています。

時間栄養科学研究会
ホームページ →http://www.chrono-nutrition.jp/


(1)体内時計を同調させる食に関する研究
脳や末梢組織の体内時計は一定時刻の給餌刺激により同調することが知られている。しかしながら、食事の内容に関しては分かっていない。 3 大栄養素である、糖質、タンパク質、脂質の成分比を変えたり、例えば動物性脂肪と植物性脂肪を比較したりする。 また、 異なったアミノ酸組成のタンパク質やアミノ酸の作用についても調べる。農水省・JSTでは予防医学、健康寿命延伸のためトクホや機能性表示食品の開発を 大きく進めようとしている。当研究室では、特に生薬、フラボン系化合物を中心にして、新しい価値として「時間栄養機能性食品」の開発に取り組んでいる。このことにより、新規な食品分野を開発できる。


(2)時間栄養学に関する研究
1日に与える高脂肪食の量は一定にして、マウスに朝食や夕食を与える比率を変えると、朝食を主とした二食が、夕食だけの一食に比較すると、肥満防止できることが 分かった。このように食事 や栄養素 を取る時刻が重要であることを明らかにする学問を 時間栄養学といい、当研究室がこの言葉を提案した。時間栄養学的視点でより健康な食生活リズムを作る研究を行う。 実際には、 食物繊維を朝食時に取るのと夕食時に取るのを比較するといずれの摂取が、腸内細菌の多様性より大きな効果を発揮するかなどを明らかにする。


(3 )体内時計と生活習慣病
シフトワークモデルマウスや時計遺伝子変異マウスを用いて、時計の異常が、生活習慣病のリスクファクターになっていることを明らかにしていく。 特に脂肪肝、 脂肪蓄積、腎不全調節の発症メカニズムを追求している。

(4 )体内時計と免疫機能
喘息発作が明け方に多いことや、花粉症の症状が朝方悪化することから、食物アレルギーの食事時間による悪化などから、 体内時計とアレルギー疾患に関連するが、そのメカニズムを明らかにする研究を展開している。また、腸管、唾液腺での感染防御にかかわるIgAの体内時計支配について調べている 。


(5)体内時計と脳機能
体内時計の不調は不眠症・うつ病を発症しやすく、アルツハイマーなど認知障害では体内時計が乱れていることが良く知られている。そこで、不安、うつ、認知(学習・記憶)、抗ストレスなどをキーワードに、これらに作用する機能性食品の開発を行っている。この場合は、リズムに作用し結果的に脳機能を改善するような化合物の開発も行う。 また、運動は脳機能の改善におおいに役立つことから、適切な運動時間帯を見出す 研究も展開している。 最近、腸内細菌と脳機能つまり、腸脳相関の研究も力を入れている。

(6)体内時計と運動
運動を行う時間によって、運動効果が異なるか否かについて調べる。また、運動の種類 が体内時計の位相に及ぼす効果を調べる。このことにより、運動の効果的時間帯を見いだす「時間運動学」を構築する。 サルコぺニア(筋委縮症)のモデルマウスの作成と、時間栄養学的なあるいは時間運動学的な改善効果の検証も同時におこなう。また睡眠と運動のパーフォマンスの視点で日本スポーツ振興センターとの共同研究も行っている。

(7)ストレス研究
ストレスによる体内時計の不調と生活習慣病の悪化要因を多面的に調べる。心理ストレスや物理ストレスを与え、時刻による体内時計の破綻とそれによる肥満や腎機能悪化の高血圧について調べる。

(8)プロバイオティックスと大腸機能
最近、大腸の機能と体内時計の関係が注目されてきた。生体側の時計が腸内細菌の働きに影響働きに影響を及ぼすこと、また腸内細菌産物の有機酸が腸の体内時計維持にかかわっていることが分ってきた。抗生物質やオリゴ糖などの食物繊維による腸内細菌叢の変容がいかに体内時計機能に影響を及ぼすかを明らかにする。


(9) 人を対象とした研究

(A )水溶性食物繊維の摂取タイミングの介入研究。
(B )魚肉タンパク質の摂取タイミングとサルコペニア予防。
(C )「攻めの間食」で、有用な間食の摂り方を実証する。
(D )港区を対象とした小学・中学生の時間栄養を視点として食育プログラムの開発。
(E )血糖連続測定方法の有効利用 と睡眠との関係。
また、社会的時差ボケ、夜食症などのヒトの 体内時計を計測する技術の開発と、リズムの特徴を調べる 。 さらに 、 の生活習慣と時計遺伝子発現プロファイル や時間栄養学的視点によるヒトの健康管理 のアプリ等も開発する 。

(10) その他。 キーワードを挙げる。
慢性腎疾患( CKD )マウス。社会的時差ボケ。老化促進マウス。低体温(冷え性 マウス。熱中症マウス。魚肉タンパク質。生薬・漢方薬。γオリザノール。ポリメトキシフラボン。イヌリン。菊芋。攻めの間食。発酵オカラ。難消化性スターチ。